COLUMN

狂言の芸術鑑賞会|古典の「笑い」を子どもたちへ、国語の授業とつなげる見どころと楽しみ方

狂言・伝統芸能
狂言方大蔵流 大藏教義
▶ 狂言方大蔵流 大藏教義(オープニング・前半)
ロボットしずく
しずく社長

どうも、こんにちは!ロボットしずくです。稲川幸雄さんの演劇に参加したあと「劇団ロボットカンパニー」を立ち上げ、40人の仲間と舞台をつくってきた演劇人・パフォーマーです。今は芸術鑑賞プロデュース会社「心」で、学校の芸術鑑賞会をお手伝いしています。
今回のテーマは「狂言の芸術鑑賞会」です。「伝統芸能」と聞くと、子どもたちには難しそうに感じられるかもしれません。でも狂言は、せりふとしぐさで笑わせる、昔の人のための「喜劇」です。小学校の国語の古典の学習ともつながりの深い狂言を、どう見ればもっと楽しめるのか。舞台をつくる側の目線から考えてみます。

狂言とは?能とあわせて「能楽」と呼ばれる伝統芸能

まず、狂言がどんな芸能なのかを確認しておきましょう。京都市観光協会の京都観光Navi「能楽ってなんだろう?」では、能と狂言を合わせて「能楽」と呼び、どちらも平安時代中期に成立した「猿楽」を源流としていると説明されています。

同じ能楽でも、能と狂言は性格がずいぶん違います。能が謡と舞で構成され、荘重で悲しい内容が多いのに対して、狂言はせりふとしぐさを中心とした対話劇で、滑稽で喜劇的な内容が中心です。登場するのは貴族や歴史上の人物ではなく、当時の一般の人々。主人と家来の太郎冠者のやりとりなど、身近な人たちの失敗やごまかしが笑いになります。

流派は、室町時代後期に大蔵流・和泉流・鷺流が成立し、現在は大蔵流と和泉流の2つが「家」ごとに活動しているとされています。また、外務省の資料によると、能楽は2001年にユネスコの「人類の口承及び無形遺産に関する傑作」に宣言されました(その後、無形文化遺産の代表一覧表に統合されています)。

伝統芸能全体の楽しみ方については、伝統芸能の芸術鑑賞会の記事でも紹介しています。今回はその中から、狂言にしぼって考えていきます。

国語の「我が国の言語文化」とのつながり

狂言は、学校の学習ともつながりがあります。小学校学習指導要領(平成29年告示)の国語では、第5学年及び第6学年の「我が国の言語文化」に、「親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと」「古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること」が示されています。

たとえば、岩手県の教育関係のウェブサイトに掲載されている令和4年の小学校6年生の国語科学習指導案では、光村図書の教科書の「古典芸能の世界-演じて伝える」「狂言 柿山伏」が教材として扱われています。この指導案では、修行を終えたばかりの山伏が空腹のあまり柿を盗んで食べ、柿主に見つかってあわててごまかそうとするやりとりを、擬声語や擬態語、言い回し、リズム、反復を味わえる教材として扱い、音読の工夫をしてそのおもしろさを1年生に紹介する単元が組まれていました。

教科書で読んだ言葉が、本物の狂言師の声と体で目の前に立ち上がる。私は、ここに狂言の芸術鑑賞会ならではの価値があると考えています。「読む古典」が「見て、聞いて、笑う古典」に変わる瞬間です。

ロボットしずく
しずく社長
しずくのワンポイント国語の授業で狂言を学ぶ学年なら、鑑賞会の時期を授業の前後に合わせられないか、担当の先生同士で相談してみてください。授業の前なら「本物を見てから読む」、あとなら「読んだものを本物で確かめる」。どちらにも、それぞれの良さがありますよ。

狂言の見どころ|せりふ・しぐさ・想像力

狂言を初めて見る子どもたちに、どこを見てほしいか。演劇人として、私は次の3つをおすすめしています。

私は、狂言は「見る人の想像力でいっしょにつくる舞台」だと思っています。役者が「ここは山道」と言えば、そこはもう山道。子どもたちが自分の頭の中に景色を描けたとき、舞台は一気におもしろくなります。

なお、国立能楽堂では、初心者にもわかりやすい内容の狂言と能を能楽師の解説付きで上演する「能楽鑑賞教室」が開かれてきたことが、文化庁の広報誌で紹介されています。劇場でも、解説を入り口に古典の舞台に親しんでもらう工夫がされているのです。

狂言の鑑賞会を深める事前・事後の工夫

狂言は、少しだけ準備をしておくと楽しさがぐっと増す芸能です。ただし、話の筋を全部説明してしまうと笑いの驚きが減ってしまうので、「入り口」だけ用意するのがコツです。

事前学習の考え方は芸術鑑賞会の事前学習の進め方で、どこまで話すかの加減も含めてくわしく紹介しています。

ロボットしずく
しずく社長
しずくのワンポイント事後学習でせりふをまねするときは、上手に言えるかよりも「声を大きく、ゆっくり」を目標にしてみてください。狂言の発声は、広い空間に声を届けるためのもの。おなかから声を出す気持ちよさを、子どもたちも体で感じられますよ。

学年別の楽しみ方と、体育館で見るときのポイント

同じ狂言でも、学年によって楽しめるポイントは少しずつ違います。演目を選ぶときや事前の声かけの目安として、私なりにまとめてみました。

体育館で鑑賞する場合は、後ろの席からも役者の表情やしぐさが見えるよう、客席の並べ方や舞台の位置を事前に確認しておくと安心です。会場準備の確認点は、体育館で芸術鑑賞会をするときの準備の記事にまとめています。

「心」の演目の中では、狂言方大蔵流 大藏教義が、大蔵流の狂言師による伝統芸能の舞台です。体育館・ホールでの公演に対応しています。また、同じ「笑い」の伝統芸能として感動する落語と技を組み合わせて考えるのも一つの方法です。

芸術鑑賞プロデュース会社「心」では、演劇・音楽・伝統芸能・パフォーマンス・講演会まで20を超える演目の中から、狂言をはじめとする伝統芸能の舞台を、学年や国語・音楽の学習のねらいに合わせてご提案しています。「古典の学習とつなげたい」「全校で笑える伝統芸能を探している」など、お気軽にご相談ください。

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演劇・音楽・伝統芸能・パフォーマンス・講演会まで20を超える演目から、学年・テーマ・会場・ご予算に合わせてご提案します。小学校・中学校・高校・大学へ派遣して18年。体育館・ホールでの公演をお届けします。

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