「サビじゃない」手振りダンスはなぜバズる?|あいみょん「姿」・コレサワ「にゃんにゃんにゃん」・monet「分かっちゃいないね」に見る2026年秋のTikTok傾向



どうも、こんにちは!ロボットしずくです。「令和の虎」に志願者として出演し、オール達成をいただいた、株式会社RPGエンターテイメントの社長です。これまで個人のアカウントは200人以上、企業のアカウントは100社以上を見てきて、初めての投稿でも100万再生を連発。そんなバズる動画を制作してきました。
最近のTikTokを見ていて気になっているのが、サビではない部分で踊る手振りダンスの流行です。あいみょん「姿」の倍速手振り、コレサワ「にゃんにゃんにゃん」の2番サビ、monet「分かっちゃいないね」の1番Aメロ。どれも発売から時間がたった曲なのに、新しいパートの振り付けで再び聴かれています。今回はこの3曲から、2026年秋の傾向と、MVを作るときに準備できることを、映像を作る立場から読み解きます。
いまTikTokで起きている「サビ以外」の流行
THE FIRST TIMESが2026年10月20日に更新した「今バズっている20曲」のまとめを読むと、ある共通点に気づきます。振り付けが話題になっている曲の多くで、踊られているのがサビではない部分なんです。
たとえば、あいみょん「姿」はBメロからサビにかけての倍速の手振り、back number「日曜日」はAメロを倍速にした手振り(中高生を中心に流行)、コレサワ「にゃんにゃんにゃん」は2番のサビ、monet「分かっちゃいないね (feat.花隈千冬)」は1番のAメロ。2021年にサビが流行したMAISONdes「ヨワネハキ」も、今回は人気TikTokerが作ったAメロのダンスで再び話題になっていると紹介されています。
しかも、「姿」は2022年、「にゃんにゃんにゃん」は2023年、「分かっちゃいないね」は2025年の曲。どれも発売からしばらくたった曲が、新しいパートの振り付けで見つけ直されています。今回は、このうち公式動画を確認できた3曲を中心に、映像を作る立場から傾向を整理します。
あいみょん「姿」:Bメロからの“倍速”手振り
「姿」は、あいみょんが2022年8月17日に発売した4thアルバム『瞳へ落ちるよレコード』の収録曲で、同年9月から結婚情報サービス「ゼクシィ」のCMソングにもなりました。
いまTikTokで流行しているのは、Bメロからサビにかけての手振りダンスを倍速の音源で踊るスタイルです。SKE48の河村優愛さんも投稿しているほか、2人でおそろいのように踊る“双子ダンス”の動画も紹介されています。
もともとゆったりした曲でも、倍速にするとテンポが上がり、短い時間で手の動きがたくさん見せられます。原曲の雰囲気を知っている人にとっては「あの曲がこうなるんだ」という意外さもあり、見る側・踊る側の両方に入り口が生まれます。
コレサワ「にゃんにゃんにゃん」:2番サビの“猫目線”でペア動画に
シンガーソングライター・コレサワの「にゃんにゃんにゃん」は、2023年2月22日の“猫の日”に配信された曲です。飼い猫と飼い主の毎日のやりとりを描いた歌で、公式のアニメーション・リリックビデオも同じ日に公開されました。
TikTokで流行しているのは、歌詞が猫の目線に切り替わる2番のサビ。猫役と人間役に分かれて踊るペア動画も多く投稿されています。
ここがおもしろいところで、2番は1番と「視点」が変わるので、自然と“役”が生まれます。役があると、友だちや家族と2人で撮る理由ができ、動画のネタとしても使いやすくなります。
monet「分かっちゃいないね」:1番Aメロと“写真フレーム”のポーズ
「分かっちゃいないね」は、ボカロPのmonetが歌声合成ソフトの歌声データベース・花隈千冬をボーカルに使って、2025年6月に公開した曲です。Billboard JAPANの急上昇チャート「Heatseekers Songs」では、2026年10月5日〜11日の集計で10位に入り、通算8週目のチャートインとなりました。
TikTokでバズっているのは1番のAメロの手振りダンス。超ときめき♡宣伝部の坂井仁香さんも披露しています。さらに、最後のポーズが写真フレームのような形になるので、そこに思い出の写真をはめ込む動画も多く作られているそうです。
ダンスだけで終わらず、「自分の写真を入れる」というもう一つの遊び方があることで、踊るのが苦手な人も参加しやすくなっています。
なぜ「サビじゃないところ」が選ばれるのか
3曲を並べてみると、私は次のような理由があると考えています。
- 新鮮に聞こえる:サビはすでに多くの人が知っています。Aメロや2番を切り取ると、同じ曲でも新しい曲のように聞こえます。
- 手振りに向いたリズムがある:言葉がこまかく詰まったAメロ・Bメロは、手の動きを一つずつ当てはめやすく、倍速にするとさらに“手数”が増えます。
- 役やネタが入れやすい:「猫目線」「写真フレーム」のように、パートごとの意味や形が、動画のアイデアにそのままつながっています。
- 過去曲に2回目のチャンスが来る:別のパートで流行が起きると、一度話題になった曲でも、もう一度見つけてもらえます。
「別のパートで2回バズる」流れは、以前有華「Partner」のコラムでも取り上げました。また、発売から時間がたった曲が再注目される流れはアカシック「ピンク」のコラムでもまとめています。
アーティストがMV撮影で準備できること
この傾向から、これからMV・PVを作るアーティストが取り入れられることを3つにまとめます。
- 「サビ以外の見せ場」を1つ決めておく:Aメロ・Bメロ・2番のどこかに、手振りやポーズで見せられる15秒前後の場所を作っておくと、サビとは別の入り口になります。
- 歌詞の“目線”や“形”を映像にする:誰の目線か、最後にどんな形で止まるかを、MVの中でもはっきり見せておくと、真似する人がイメージしやすくなります。
- 倍速・ペア・写真入れなど、遊び方の余白を残す:振りを完成させすぎず、ファンが自分の写真や相手を入れられる形にしておくと、参加の仕方が広がります。
私たち「あなたのチーム」では、MV本編の撮影に加えて、TikTok用の振り付けや縦型動画も同じ日にまとめて撮影し、どのパートをSNSで切り出すかのアイデア出しまで一緒に考えています。シンガーソングライター向けの撮影や、歌+TikTok振り付け撮影のメニューもあります。もちろん再生数は保証できませんが、「どこを見せるか」を撮影前に決めておくだけでも、公開後の動き方は変わってきます。
- THE FIRST TIMES「【2026年最新】今バズっている20曲!TikTokヒットソング&流行りの曲を紹介」(2026年10月20日更新)
- BARKS「あいみょん、「姿」がゼクシィ新CMのテーマソングに」(2022年9月24日)
- Billboard JAPAN「コレサワ、新曲「にゃんにゃんにゃん」配信開始&MVプレミア公開決定」(2023年2月22日)
- THE MAGAZINE「8曲が初登場 Billboard JAPANチャート「Heatseekers Songs」」(2026年10月14日)
- UtaTen「ボカロP・monet「分かっちゃいないね」…TikTokでミームになった理由も徹底解説!」
※数字や順位は、各記事・発表の時点のものです。曲名・アーティスト名は各権利者のものです。




