Natchan Montana「BALI」はなぜバズった?|本人考案の“カニ歩き”振り付けと2000年代風ビートでTikTokチャート2位になった理由
どうも、こんにちは!ロボットしずくです。「令和の虎」に志願者として出演し、オール達成をいただいた、株式会社RPGエンターテイメントの社長です。これまで個人のアカウントは200人以上、企業のアカウントは100社以上を見てきて、初めての投稿でも100万再生を連発。そんなバズる動画を制作してきました。
今回取り上げるのは、ラッパーのNatchan Montanaが2026年8月に配信した「BALI」です。TikTokやInstagramで振り付け動画が広がり、9月にはオリコンの週間TikTok音楽チャートで2位に。10月にはついにMVも公開されました。今年から本格的にリリースを始めた新人が、なぜここまで広がったのか。映像を作る立場から、振り付け・音・MVの3つの視点で読み解きます。
Natchan Montana「BALI」ってどんな曲?
Natchan Montanaは、新潟出身で東京を拠点に活動するラッパーです。2026年から各種ストリーミングサービスでのリリースを本格的に始めたばかりで、6月にはプロデューサーのMouseと組んだ1st EP『NATCHAN MOUSE』を出しています。
「BALI」は、2026年8月12日に配信されたシングル。タイトルのとおりインドネシアのバリ島への旅をテーマにした曲で、旅先の楽しさを軽やかに描いた、聴いていて気分が明るくなるナンバーです。キャッチーなフックと、シンプルな打ち込み主体のビートが特徴です。
バズの経緯:8月の配信からTikTokチャート2位、MV公開まで
大きな流れを、報道で確認できた範囲でまとめます。
- 8月12日:シングル「BALI」を配信。
- 8〜9月:TikTokやInstagramに投稿された振り付け動画からバイラルヒットに。
- 9月:オリコンの週間TikTok音楽チャート(9月11日付)で2位に。Real Soundは、新人としては異例の快進撃だと紹介しています。
- 10月中旬:ついにMVをYouTubeで公開。この時点でSpotifyの月間リスナーは11万人を超えていたと報じられています。
10月20日に更新されたTHE FIRST TIMESの「今バズっている20曲」でも1曲目に紹介されていて、9月の山を越えたあとも、TikTokの定番曲として使われ続けていることがわかります。
バズの理由① 本人が踊った“カニ歩き”振り付けが「お手本」になった
Real Soundによると、「BALI」を使った動画の多くは、Natchan Montana本人が投稿したダンスを真似したものです。フックに合わせて両手をチョキにして横歩きする、カニ歩きのような振り付け。公式のハッシュタグ企画があったわけではないのに、事実上のダンスチャレンジとして広がりました。
私が注目したいのは、この振りの「ハードルの低さ」です。
- ステップは横に歩くだけなので、ダンス経験がなくてもすぐできる
- 両手のチョキは、スマホの縦画面でもはっきり見える
- 友だちと横に並んで歩けば、人数が多いほど画になる
- 部屋の中でも、外の道でも、旅行先でも撮れる
そして何より、最初のお手本をアーティスト本人が踊っていること。誰の振りなのか、どの曲なのかが一目でわかるので、真似した動画が増えるほど、本人の元動画にも人が戻ってきます。
バズの理由② 2000年代風のビートと短いフックの強さ
Real Soundの記事では、「BALI」を2000年代の“リングトーンラップ”(着メロ・着うたで人気になったキャッチーなヒップホップ)の再来と分析しています。着信音は曲のフックだけを切り取って使うもの。曲の一部分だけが動画のBGMとして使われるTikTokと、とても相性がいい形です。
Natchan Montanaはビートを募集するときに「Old Gucci Mane」「2000's ATL」「Y2K」といったキーワードを挙げていたそうで、オルガンを使ったビートにも2000年代のアトランタらしさがあります。今の若い世代には新鮮に、少し上の世代にはなつかしく聞こえる。音の手ざわりそのものが“ネタ”になっているのも強みです。
過去の音楽の空気をまとった曲が広がる流れは、「サビじゃない」手振りダンスの記事で取り上げた、過去曲が見つけ直される動きとも重なります。
バズの理由③ 曲が先に広がり、MVは後から“受け皿”になった
「BALI」は、MVより先に曲と振り付け動画が広がったケースです。MVが公開されたのは10月中旬で、ナタリーの見出しにも「ついにMV公開」とあるように、すでに曲を知っている人が待っていた状態でした。
MVは、バリ旅行中に手持ちカメラで撮った映像で作られています。作り込んだセットではなく、旅のリアルな空気感をそのまま見せる映像は、曲のテーマとぴったり合っています。TikTokで曲を知った人が「どんな人が歌っているんだろう?」と検索したとき、YouTubeに世界観が伝わるMVがある。これが、一時的なバズをアーティストのファンにつなげる“受け皿”になります。
アーティストが真似できること
「BALI」の広がり方から、これからMV・PVを作るアーティストが取り入れられるのは次の4つです。
- 本人が踊る「お手本動画」を最初に出す:振り付けを考えたら、まずは自分のアカウントで踊ってみせる。真似する人にとっての“正解”になります。
- フックの数秒に、動きをひとつだけ決める:手の形+簡単なステップくらいの、誰でもできる型にしておく。
- 音のキーワードを持つ:「2000年代っぽさ」のように、曲の音そのものに話題になる切り口があると、紹介記事や口コミが生まれやすくなります。
- MVは“検索してきた人”のために作る:SNSで先に広がっても、YouTubeに公式MVがあると、曲からアーティストへと関心がつながります。
私たち「あなたのチーム」では、MVの撮影と一緒に、TikTok用の振り付けや縦型動画の撮影もまとめて提案しています。旅先のような街中撮影や遠出撮影にも対応しています。ほかのアーティストの例はバズったMV・TikTokに共通する7つの法則でもまとめています。
- Real Sound「Natchan Montana「BALI」は“リングトーンラップ”の再来? ヒップホップ×ダンスの歴史から見るTikTokバズの必然」(2026年9月18日)
- JOYSOUND 音楽ニュース(音楽ナタリー配信)「大ヒット曲「BALI」ついにMV公開」(2026年10月16日)
- Spincoaster「Natchan Montana、“引越し FREESTYLE”MV公開」(2026年10月9日)
- THE FIRST TIMES「【2026年最新】今バズっている20曲!」(2026年10月20日更新)
※数字や順位は、各記事・発表の時点のものです。曲名・アーティスト名は各権利者のものです。





