「ソーラン節 自由形」はなぜバズった?|運動会の定番曲がアイドルの“アレンジ合戦”になった理由


どうも、こんにちは!ロボットしずくです。「令和の虎」に志願者として出演し、オール達成をいただいた、株式会社RPGエンターテイメントの社長です。これまで個人のアカウントは200人以上、企業のアカウントは100社以上を見てきて、初めての投稿でも100万再生を連発。そんなバズる動画を制作してきました。
2026年の秋、TikTokで思わぬ曲が盛り上がっています。運動会でおなじみの「ソーラン節」です。元の振り付けを自由にくずして踊る「ソーラン節 自由形」がミームになり、ME:Iや乃木坂46、=LOVE、モナキなど、アイドルやアーティストも次々に動画を投稿しました。新曲でもない、ダンス曲として作られたわけでもない曲が、なぜここまで広がったのか。映像を作る立場から読み解きます。
「ソーラン節 自由形」ってどんなブーム?
使われているのは、伊藤多喜雄&TAKIO BANDの「TAKIO'S SOHRAN 2」。北海道民謡「ソーラン節」を伊藤多喜雄さんが現代的にアレンジした曲で、1998年発売のアルバム『NIPPONESE SONG~産土~』に収録されています。伊藤多喜雄さんは、ドラマ「3年B組金八先生」で知られた南中ソーランの「TAKiOのソーラン節」の生みの親でもあります。力強いビートと掛け声が特徴で、学校の運動会で踊った記憶がある人も多いはずです。
今回のブームでは、この曲に合わせて元の振り付けを守りつつ、K-POP風のステップやブレイクダンスなどを自由に混ぜて踊る動画が「ソーラン節 自由形」と呼ばれ、TikTokやInstagramのショート動画で広がりました。学校では全員がそろって同じ振りを踊るのが当たり前でしたが、SNSでは一人ひとりが自分なりのアレンジを見せる形に変わっているのがおもしろいところです。
バズの経緯:小さな投稿からアイドルへ
報道によると、発端のひとつとされるのは、インスタグラマーのりょうくんさんが「暇だしソーラン節踊っとくわ」と題して投稿した動画です。両手をほほに添えるポーズから始まり、ソーラン節の動きにアイドル風の振りを混ぜたコミカルな内容でした。そこから「〇〇だしソーラン節踊っとくわ」という言い回しと一緒に、自由に踊る動画が広がっていきます。
さらに、小学生が「ソーラン節 自由形」と題したダンス動画を投稿して話題になり、ガールズグループのME:Iが同じように踊った動画を出したことで、一気に認知が広がったと伝えられています。レコード会社のバップによると、TikTokのハッシュタグ「#ソーラン節」の関連動画は、9月26日時点で直近30日間に約2,000万回再生されました。
その後は、乃木坂46、日向坂46、=LOVE、Juice=Juice、CUTIE STREET、iLiFE!、SKE48、原因は自分にある。、SUPER☆DRAGON、モナキなど、女性・男性を問わず多くのグループのメンバーが参加。レーベルのバップのYouTube公式チャンネルでも、「TAKIO'S SOHRAN 2」などを収録したアルバムの配信を案内するショート動画が公開されています。
バズの理由① 「みんなが知っている振り」が土台にある
このブームの一番の強みは、見る人の多くが「元の振り」を知っていることです。運動会で踊ったことがある人なら、最初の数秒で「あ、ソーラン節だ」とわかります。だからこそ、そこから外れた動きが入った瞬間に「そうくる?」というギャップが生まれ、笑いや驚きにつながります。
まったく新しい振り付けは、まず覚えてもらうところから始めなければいけません。一方で、みんなが知っている型を“くずす”遊びは、説明がいりません。これはサカナクション「夜の踊り子」のように、昔の曲がミームで再ブレイクする流れとも共通しています。曲そのものの新しさより、「使い方の新しさ」が広がりを生んでいるのです。
バズの理由② 「構え」の合図と“くずし方”で個性が出せる
多くの動画は、「構え」の合図でポーズを決めるところから始まります。この共通の入り口があるので、見る側はすぐに「自由形の動画だ」と気づけますし、踊る側も始め方に迷いません。
そのうえで、アレンジの中身は人それぞれです。報道では、ME:Iのメンバーは低く腰を落としてK-POPダンスのようにスタイリッシュに、=LOVEのメンバーは指先や長い髪を生かした動きで、日向坂46のメンバーは最後に軽快なステップを入れて、と紹介されていました。同じ曲・同じ入り口なのに、くずし方で個性が出る。この「型+自由」の組み合わせが、何本見ても飽きない理由です。
私は、これがショート動画で広がる企画の理想的な形だと考えています。全員が同じ振りを踊るだけだと、2本目以降は見る理由が弱くなります。でも「あの人はどうくずすんだろう」という楽しみがあると、次の動画も見たくなります。
バズの理由③ アイドル同士の“アレンジ合戦”になった
アイドルやアーティストにとって、自由形は自分たちのダンス力やキャラクターを短い時間で見せられる場になりました。ダンスが得意なメンバーはキレのある動きで、バラエティが得意なメンバーは笑いで、それぞれの強みが出せます。
そして、同じ曲で踊るからこそ、ほかのグループの動画と並べて比べられます。あるグループの動画を見た人が、別のグループの自由形も見に行く。その流れの中で、これまで知らなかったグループに出会うファンも出てきます。SWEET STEADY「SWEET STEP」の“無限”シリーズのように、シリーズ化・連鎖しやすい企画は、ファン以外にも届きやすくなります。
アーティストが真似できること
「ソーラン節 自由形」から、これからMV・PVを作るアーティストが取り入れられることを3つにまとめます。
- みんなが知っている「型」を用意する:サビの決めポーズや掛け声など、誰でもすぐ真似できる型を作っておくと、それを崩したりアレンジしたりする遊びが生まれやすくなります。
- 「自由に踊っていい余白」を残す:振りを全部決めきらず、最後の数秒は自由にする、ポーズだけ決めて間は好きに踊ってもらう、など参加する人が個性を出せる余白があると、投稿が増えやすくなります。
- MVと一緒に縦型のアレンジ動画を撮る:本編のMVとは別に、メンバーそれぞれのアレンジ版や、ほかのグループと一緒に踊れる形の動画を用意しておくと、SNSで広がる入り口が増えます。
もちろん、どんな企画でも必ずバズるわけではありません。ただ、「見る人が知っている型」と「参加する人が遊べる余白」を最初から設計しておくと、広がるチャンスは高まると私は考えています。
私たち「あなたのチーム」では、MVの撮影と一緒に、TikTok用の振り付けや縦型動画、SNSのアイデア出しまでまとめてご提案しています。アイドル撮影+TikTok振り付け、スタジオ撮影+TikTokダンスなどのメニューもあるので、「型」と「余白」のある企画を一緒に考えてみませんか。




