MAISONdes「ヨワネハキ」はなぜ5年後にまた踊られている?|2021年はサビ、2026年はAメロ。“架空のアパート”発の曲が2度バズった理由
![【102】[feat. 和ぬか, asmi] ヨワネハキ / MAISONdes](https://i.ytimg.com/vi/wUHBqw7N_Z4/hqdefault.jpg)

どうも、こんにちは!ロボットしずくです。「令和の虎」に志願者として出演し、オール達成をいただいた、株式会社RPGエンターテイメントの社長です。これまで個人のアカウントは200人以上、企業のアカウントは100社以上を見てきて、初めての投稿でも100万再生を連発。そんなバズる動画を制作してきました。
2021年にTikTokで大流行したMAISONdes(メゾン・デ)の「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」。この曲が2026年の秋、また新しいダンスで踊られています。しかも今回の主役は、前回のサビではなくAメロです。5年前の曲がなぜもう一度バズったのか、そして“架空のアパート”という見せ方がなぜ強いのか。MVやSNS動画を作る立場から読み解きます。
MAISONdes「ヨワネハキ」ってどんな曲?
MAISONdesは、2021年2月にYouTubeでオープンした「架空の六畳半アパート」という音楽プロジェクトです。アパートの各“部屋”に、ネットやSNSで人気のアーティストやクリエイターが入居し、オリジナル曲を生み出していく、という設定になっています。部屋番号がそのまま楽曲番号になっていて、第1号は101号室でした。
「ヨワネハキ」は、2021年5月19日に入居した102号室の曲です。作詞・作曲はシンガーソングライターの和ぬかさん、ボーカルはasmiさん、編曲は100回嘔吐さん。少し後ろ向きな響きのタイトルなのに、サウンドは音頭のような明るいビートで、太鼓や鐘の音も入ったお祭りのような雰囲気。このギャップが、この曲の大きな特徴です。
1回目のバズ:2021年はサビの“踊ってみた”
THE FIRST TIMESのコラムによると、「ヨワネハキ」は発表されるとすぐにTikTokでダンス動画が大流行しました。使われたのは、サビの20秒ほど。「やめときます」のポーズや、腕で作る「バッテン」ポーズなど、言葉と動きが結びついた振り付けが特徴でした。
同じコラムでは、TikTokの楽曲ランキングで4連覇、音源を使った動画の総再生は27億回を超えたと紹介されています。2021年8月には『THE FIRST TAKE』にも登場し、そのときすでに「一億回再生突破の大ヒット曲」として紹介されていました。
大事なのは、コラムが「踊ってみたのワンフレーズだけでなく、曲そのものがリスナーに届いている」と分析している点です。ダンスで知った人が、フルで聴きにいく。この流れができていたことが、5年後の再ブームの土台になっています。
2回目のバズ:2026年はAメロの新しい振り付け
2026年10月に更新されたTHE FIRST TIMESの「今バズっている20曲」では、「ヨワネハキ」がふたたび取り上げられています。今回話題になっているのは、人気TikTokerが振り付けたAメロのダンス。ボーカルのasmiさん本人や、BUDDiiSのFUMINORIさんもダンス動画を投稿しています。
ここで面白いのは、1回目とは違うパートが使われていることです。サビのダンスをすでに知っている人にとっては「あの曲の新しい踊り方」になり、2021年を知らない若い世代にとっては「初めて聴く曲」になります。同じ曲なのに、2つの世代に別々の入り口ができているわけです。
同じ記事には、back number「日曜日」のAメロを倍速で踊る手振りダンスや、空音「Hug feat. kojikoji -Fantasy club ver.-」のAメロの振り付けも並んでいて、“サビ以外”のパートに新しい振りをつける流れが続いていることがわかります。この傾向は「サビじゃない」手振りダンスはなぜバズる?でもまとめました。別のパートで2度目のバズが起きた例としては、有華「Partner」も参考になります。
長く聴かれる理由:“部屋”の世界観とTHE FIRST TAKE
私が「ヨワネハキ」の映像で特にうまいと感じるのは、プロジェクト全体の見せ方です。MVのタイトルは「【102】」から始まり、どの部屋の曲なのかが一目でわかります。アパートという共通の舞台があるので、別の部屋の曲を聴いた人が「102号室も聴いてみよう」と移動しやすい作りになっています。
さらにMAISONdesには、既存の曲への“返信”としてリミックスを発表する「Re:MAISONdes」という仕組みもあり、「ヨワネハキ」にも「Re:102」としてリミックス版があります。ひとつの曲に、いくつもの“扉”が用意されているイメージです。
そして、2021年の『THE FIRST TAKE』。asmiさんの歌に、和ぬかさんがギターで参加した特別アレンジの一発撮りでした。TikTokで知った曲を、YouTubeでじっくり聴ける映像があること。MV・一発撮り・リミックスと受け皿が何種類もあるからこそ、数年たってダンスが再燃したときにも、聴きに来た人の行き先がちゃんとあるのです。
アーティストが真似できること
「ヨワネハキ」の2度のバズから、これからMV・PVを作るアーティストが取り入れられるのは次の3つです。
- サビ以外のパートも“映える”ように撮っておく:Aメロや2番にも、表情や手振りで見せられるカットを用意しておくと、あとから別のパートが切り取られたときにもMVが受け皿になります。
- 作品に“共通の舞台”をつくる:アパートの部屋番号のように、シリーズとしての見せ方を決めておくと、1曲のヒットがほかの曲にも人を運んでくれます。
- MVとは別の“聴かせる映像”を残す:一発撮りやライブ、弾き語りなど、ダンスで知った人がじっくり聴ける動画を公式チャンネルに置いておきましょう。
どの曲でも2度バズるわけではありませんが、どのパートが使われても困らない映像を用意しておくことは、どのアーティストにもできる準備です。私たち「あなたのチーム」では、MV本編の撮影と同じ日に、TikTok用の縦型ダンス動画や、歌をじっくり聴かせる映像もあわせて撮影するプランを提案しています。「どのパートで踊ってもらうか」から、一緒に考えましょう。




