=LOVE「恋、はじめました。」はなぜバズった?|サビのダンスとコラボ動画で総合1位になった理由
どうも、こんにちは!ロボットしずくです。「令和の虎」に志願者として出演し、オール達成をいただいた、株式会社RPGエンターテイメントの社長です。
今回取り上げるのは、=LOVE(イコールラブ)の21stシングル「恋、はじめました。」です。先行配信の時点からTikTokで話題になり、サビのダンス動画が広がって、CD発売週にはBillboard JAPANの総合ソング・チャートで1位になりました。SNSでの広がりとチャートの結果がきれいにつながったこの曲を、MV・SNS動画を作る立場から読み解きます。
「恋、はじめました。」ってどんな曲?
「恋、はじめました。」は、アイドルグループ=LOVEの21stシングルの表題曲です。CDは2026年8月26日に発売されましたが、それより前に配信が先にスタートしていて、CDの発売を待たずにSNSで聴かれ始めていました。
タイトルのとおり「恋の始まり」を感じさせる、明るくかわいらしい雰囲気の曲です。サビの直前にはセリフのように聞こえるパートがあり、聴くうちにそこが好きになったという声も紹介されています。一度聴くと耳に残る「ここ」という場所があるのは、短い動画で切り取られる時代にとても大事なポイントです。
バズの経緯:先行配信からTikTok、総合1位へ
流れを時系列で整理すると、次のようになります。
- 先行配信:配信開始の時点からTikTokで話題になり、サビのダンス動画が投稿され始める
- 2026年8月26日:CD発売。Billboard JAPANの総合ソング・チャート「JAPAN Hot 100」(8月24日〜30日集計)で、前週の12位から総合1位に
- 同じ週のセールスは初週503,043枚。=LOVEにとって初めての初週50万枚超えと報じられています
- 同じ週のストリーミングは9位(3,764,889回再生)、動画再生は8位
- 2026年9月3日〜9日:TikTokの週間音楽チャートで7位
注目したいのは、CDの売上だけでなく、ストリーミングや動画再生でも上位に入っていたことです。ファンがCDを買うだけでなく、SNSで曲を知った人が配信やYouTubeで聴きに来ていたことが、数字からも読み取れます。発売から約6週間がたった10月初めの時点でも、ショート動画を中心に広がりが続いていると紹介されています。
バズの理由① サビのダンスが「みんなで踊れる」
TikTokで広がったのは、主にサビ部分のダンス動画です。曲をフルで踊るのではなく、いちばん盛り上がるサビだけを切り取って踊る。これはTikTokで曲が広がるときの王道の形です。
私は、TikTokで踊られる振り付けには「短い・上半身中心・真似しやすい・決めの瞬間がある」という共通点があると考えています。サビの数十秒に見せ場がぎゅっと詰まっていると、ファンも、ほかのアイドルも、一般のユーザーも「この部分だけなら踊れそう」と感じて参加しやすくなります。
以前取り上げたM!LK「好きすぎて滅!」の“滅ポーズ”も同じで、振り付けの中に「ここだけ真似すればいい」という分かりやすい部分があることが、投稿の数を増やす力になります。
バズの理由② 他グループとのコラボ動画で外に広がった
この曲の広がり方で特徴的なのが、ほかのグループのメンバーとのコラボダンス動画です。報道では、AKB48の大倉空人さん、LE SSERAFIMのSAKURAさん、ILLITのWONHEEさんとのコラボ動画が公開されたと紹介されています。
コラボ動画のいちばんの強みは、相手のファンにも曲が届くことです。自分たちのファンだけに向けた投稿だと、どうしても届く範囲が限られます。ほかのグループ、しかも海外でも人気のあるグループのメンバーと一緒に踊ることで、それまで=LOVEを知らなかった人のおすすめ欄にも曲が流れるきっかけになります。
また、コラボ動画は「サビのダンス」という共通の型があるからこそ成り立ちます。初めて一緒に踊る相手でも、短いサビなら短時間で覚えて撮影できる。振り付けの分かりやすさが、コラボのしやすさにもつながっているのです。
バズの理由③ MVの「2つの衣装」と青空のダンス
YouTubeで公開されているMVでは、キュートなロリータ風の衣装と、爽やかな制服風の衣装の2パターンでメンバーが登場します。制服風の衣装のシーンでは、青空の下でメンバーが踊っていて、青春らしさがあふれる映像になっています。
私が映像を作る立場から感じるのは、衣装やロケーションを分けることで、1本のMVの中に「切り取れる場面」がいくつもできるということです。かわいい雰囲気を見せたい人はこちら、爽やかな雰囲気が好きな人はこちら、というように、見る人の好みに合わせた入り口が増えます。
TikTokでダンスを見て興味を持った人が、YouTubeでフルのMVを見たときに「ちゃんと世界観がある作品だ」と感じられると、そこからファンになる流れが生まれやすくなります。SNSで入口を作り、MVで世界観を伝える。この2段構えが、ストリーミングや動画再生の数字にもつながったのではないかと私は考えています。
アイドル・アーティストが真似できること
=LOVE「恋、はじめました。」の例から、これからMV・PVを作るアイドルやアーティストが取り入れられるのは次の4つです。
- 先行配信の時期からSNSを動かす:CDやフル公開の前に、サビのダンス動画で「聴いたことある」状態を作っておく。
- サビに「真似できる見せ場」を作る:短く、上半身中心で、決めの瞬間がある振り付けを意識する。
- コラボで外に届ける:ほかのアーティストやクリエイターと一緒に踊る動画は、相手のファンへの入口になる。
- MVは「世界観の受け皿」にする:衣装やロケーションを工夫して、SNSから来た人が満足できる映像にしておく。
もちろん、同じことをすれば必ずヒットするわけではありません。ただ、「SNSで知ってもらう動画」と「YouTubeで世界観を伝えるMV」を最初からセットで考えておくことは、どんな規模のアーティストでもすぐに始められます。モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」の記事で紹介した「踊ってくれた人に返す」動きも、コラボの考え方と相性が良いので参考にしてみてください。
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