デビルスティックの始め方|初心者向けの道具選びと基本技アイドリングの練習方法
デビルスティックは、1本のスティックを両手の2本のスティックで打ち返し、空中で踊らせるように操る大道芸の道具です。ジャグリングの仲間ですが、ボールとは違う「浮いて見える」不思議な動きが魅力。この記事では、はじめての人がデビルスティックを始めるために、道具の選び方から基本の「アイドリング」、プロペラなどの最初の技、上達する練習方法までを順番に紹介します。
デビルスティックとは?特徴と魅力
デビルスティックは、センタースティック(真ん中で操る長い棒)と、両手に持つ2本のハンドスティック(コントロールスティックとも呼ばれます)の、合計3本で遊ぶ道具です。ハンドスティックでセンタースティックを左右から軽く打ったり、持ち上げたりして、空中で回転させたり、浮かせたまま止めたりして見せます。
大道芸の現場では、ボールやクラブのジャグリングと並んでよく見かける演目のひとつです。デビルスティックには、次のような魅力があります。
- 動きが大きく、遠くからでも見える:スティックが長いので、屋外でもお客さんの目を引きやすい
- 「浮いている」ように見える:手で直接さわっていないのに動き続けるので、不思議さが伝わりやすい
- リズムがある:「カン、カン」という打つ音やリズムが、音楽とも合わせやすい
- 道具が少ない:3本の棒だけで練習でき、持ち運びもしやすい
はじめは「棒が落ちてばかりで難しそう」と感じるかもしれませんが、基本の動きはシンプルです。正しい順番で練習すれば、初心者でも少しずつ続けられるようになります。
道具の選び方と練習場所
はじめての1セットの選び方
デビルスティックは、ジャグリング用品の専門店や通販で手に入ります。種類はいろいろありますが、初心者は次のポイントで選ぶと失敗しにくいです。
| チェックするところ | 初心者におすすめの選び方 |
|---|---|
| 表面のすべりにくさ | センタースティックの表面がゴムやシリコンなどで覆われ、ハンドスティックが引っかかりやすいもの |
| 形 | 両端が少し太くなっているタイプは、端に重さがあって回転が安定しやすい |
| 重さ | 軽すぎるとすぐ跳ねてしまい、重すぎると疲れやすい。ほどほどの重さのもの |
| ハンドスティック | センタースティックと同じ素材で、グリップがすべりにくいもの。セットで売られているものが安心 |
両端にフサ(房)がついた「フラワースティック」と呼ばれるタイプは、回転がゆっくりに見えて練習しやすいと言われることもあります。お店によって呼び方や特徴が違うので、迷ったら「初心者向け」と書かれたセットを選ぶとよいでしょう。
練習する場所
デビルスティックは横に大きく動くので、両手を広げてもぶつからない広さと、天井の高さが必要です。家の中なら、照明や家具、窓から離れた場所で練習しましょう。落とすと音がするので、集合住宅ではマットやラグを敷くと安心です。公園など屋外で練習するときは、まわりに人がいないか、その場所で練習してよいかを確認してから始めます。
基本の構えと「アイドリング」のやり方
デビルスティックで最初に覚えるのが、アイドリング(ティック・トックと呼ばれることもあります)です。センタースティックを体の前で立てたまま、左右のハンドスティックで交互に打ち返して、振り子のように左右にゆらし続ける動きです。ほかの技はほとんどこの動きから始まるので、ここをていねいに練習しましょう。
構え方
- ハンドスティックを両手に1本ずつ持つ。握りしめず、指で軽く持つ
- ひじを軽く曲げ、手はおへその高さくらいに置く
- センタースティックを体の前に立て、真ん中より少し上あたりを2本のハンドスティックではさむ
アイドリングの手順
- はさんだ状態から、右手のハンドスティックでセンタースティックを左へ軽く押し出す
- センタースティックが左に傾いたら、左手のハンドスティックで受けとめ、右へ押し返す
- これを「右・左・右・左」とくり返す。打つというより「受けとめて、押し返す」感覚
- はじめは左右1往復できれば成功。次は3往復、10往復と少しずつ伸ばす
うまくいかないときは、片手だけで練習してみるのもおすすめです。センタースティックを床について立て、上の端を手で支えながら、反対の手のハンドスティックで当てる位置や角度を確かめましょう。
次に覚えたい技3つ
アイドリングが20〜30往復ほど安定してきたら、次の技に進みましょう。どれもアイドリングの途中から入って、アイドリングに戻るのが基本の流れです。
1. ハーフフリップ(半回転)
アイドリングの途中で、片側のハンドスティックで少し強めに下から持ち上げ、センタースティックを空中で半回転させてから、またアイドリングに戻る技です。上下が入れ替わるので、見た目の変化がわかりやすく、はじめての「技」として人気があります。
2. フルフリップ(1回転)
ハーフフリップに慣れたら、もう少し高く上げて1回転させます。高さと回転の速さのバランスが大切で、最初は低すぎて回りきらなかったり、高すぎてキャッチできなかったりします。何度も試して「ちょうどいい力加減」を体で覚えましょう。
3. プロペラ
センタースティックを体の前で、飛行機のプロペラのようにくるくる回し続ける技です。片方のハンドスティックでセンタースティックの真ん中あたりを支え、回る勢いに合わせて、もう片方で軽く当てて回転を足していきます。アイドリングとはまったく違う感覚が必要なので、少し時間がかかりますが、できるようになると見栄えが一気に上がります。
| 技 | 難しさの目安 | 練習のポイント |
|---|---|---|
| ハーフフリップ | やさしい | 持ち上げる手の力を少しずつ強くして、ちょうど半回転する力を探す |
| フルフリップ | ふつう | 高さを一定にする。目線は回転するスティックの中心に置く |
| プロペラ | やや難しい | 回転を止めない。当てる強さより、当てるタイミングを優先する |
難しさの感じ方は人によって違います。順番どおりにいかなくても大丈夫なので、楽しく続けられる技から練習しましょう。
よくある失敗と直し方
| 失敗 | 直し方 |
|---|---|
| すぐに前や後ろに倒れてしまう | ハンドスティックが斜めに当たっています。左右の手を同じ高さにし、まっすぐ横から当てるようにしましょう |
| 打つ音が大きく、跳ね返りすぎる | 強く打ちすぎです。「打つ」より「受けとめて押し返す」イメージで、力を抜きます |
| だんだん体から離れていく | 押し返す方向が前にずれています。センタースティックを体の正面に引き寄せる意識を持ちましょう |
| 手首や肩が疲れる | 握りすぎています。ハンドスティックは指先で軽く持ち、肩の力を抜いて、こまめに休憩をはさみます |
| 片方の手だけうまくいかない | 苦手な手で受けとめる動きだけを、ゆっくりくり返し練習します |
うまくいかない原因は、自分ではなかなか気づけないものです。スマートフォンで練習している様子を撮影し、正面と横から見返すと、当てる位置や手の高さのずれが見つけやすくなります。
上達の練習メニューとショーへの生かし方
1日15分からの練習メニュー
デビルスティックは、長い時間をまとめて練習するより、短い時間でも毎日続けるほうが上達しやすいと言われます。たとえば、次のような流れで練習してみましょう。
- 準備運動(2分):手首・肩・首を回してほぐす
- アイドリング(5分):落とさずに続けられた回数を数え、記録する
- 今の課題の技(6分):ハーフフリップやプロペラなど、ひとつの技にしぼって練習する
- つなげる練習(2分):アイドリング→技→アイドリングと、止めずにつなぐ
回数を記録しておくと、少しずつ伸びていくのがわかり、やる気が続きやすくなります。ジャグリングの基本練習もあわせて行いたい人は、ジャグリング初心者の始め方も参考にしてください。
ショーにするには
いくつかの技が安定してきたら、ショーの中でどう見せるかを考えてみましょう。
- 音楽に合わせる:アイドリングのリズムを曲のテンポに合わせると、技が少なくても見ごたえが出ます
- お客さんを巻き込む:「何回続くか一緒に数えてください」と声をかけると、場が一体になります
- 見せ場を最後に:いちばん得意な技や大きく回る技は、ショーの後半に持ってくると盛り上がります
屋外で披露するときは、デビルスティックの動きの大きさを生かして、遠くの人にも見える位置で演じるのがポイントです。人の集め方については、ストリートパフォーマンスで人を集める方法でくわしく紹介しています。
独学で行きづまったら
デビルスティックは、当てる位置や力加減といった細かい感覚が上達のカギになるため、独学だと同じクセのまま練習を続けてしまうこともあります。そんなときは、プロに直接見てもらうのもひとつの方法です。
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デビルスティックは、最初の数往復ができるまでがいちばんの山場です。そこを越えると、できる技がどんどん増えていく楽しさが待っています。まずは今日、アイドリングの1往復から始めてみましょう。
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