からくり人形の神技|茶運び人形に見る江戸のぜんまい仕掛けと、見る方法
こんにちは!今日は江戸のからくり人形のお話だよ。電気を使わずに動くなんて、ふしぎだよね。
お茶をのせると進み、取ると止まり、また茶碗をのせるとくるりと戻る。電気のない江戸の時代に、そんな人形が作られていました。この記事では、からくり人形のしくみと、その技術を伝える本、実際に見られる場所をやさしく紹介します。
- からくり人形は、電気を使わず、ぜんまいと歯車で動く人形
- 茶運び人形は、木とクジラのひげのばねで作られたと紹介されている
- 1796年の技術書「機巧図彙」に、作り方が図で残されている
- 愛知・犬山では、からくり人形を見たり、制作風景を見たりできる
からくり人形とは?電気を使わずに動く人形
からくり人形は、ぜんまい仕掛けで動く人形です。ぜんまいは、巻いたばねが戻ろうとする力を使う仕組みのこと。そのばねの力を歯車などで細かく調整して、人形に決まった動きをさせます。電気などの動力源は使いません。
江戸の時代には、こうした人形が芝居の出し物や、祭りの山車(だし)の仕掛けとして作られました。宴会の余興や縁日の見せ物としても親しまれ、公家や大名から庶民まで、幅広い人に楽しまれたと紹介されています。スイッチのない時代に、木とばねの工夫で「動く人形」をつくる。それがからくりの神技です。
茶運び人形の動きを、順番に見てみよう
からくり人形の代表といえば茶運び人形です。動きの流れは、とてもシンプルで、よくできています。
- お客さんの前にいる人形の手の茶たくに、茶碗をのせる
- 人形が頭をふり、両足をしずしずと動かして、お客さんの前まで進む
- お客さんが茶碗を取ると、人形はぴたりと止まる
- 飲み終えた茶碗をもう一度のせると、くるりとUターンして元の場所へ戻る
茶碗をのせる、取る、のせる、という人の動きに合わせて、進む・止まる・戻るが切りかわります。まるで人形が人の気持ちを読んでいるようですが、中にあるのは、あらかじめ組まれた仕掛けだけです。「どうして分かるの?」と不思議に思いながら見るのが、からくりの楽しみ方です。
茶碗をのせると進んで、取ると止まって、のせるとUターンするんだよ。電気は使わないのが、すごいよね!
木とクジラのひげ|部品に込められた工夫
茶運び人形は木で作られ、金属を使わないものとして紹介されています。ばねには、弾力のあるクジラのひげが使われました。歯車も木製です。木は、木目の向きがずれると歯がこぼれて欠けやすくなります。そこで、歯車は三角形に切り出した木を貼り合わせて作ったと言われています。
| 部品 | 材料・工夫 |
|---|---|
| 人形の体 | 木で作り、金属は使わない |
| ばね | 弾力のあるクジラのひげ |
| 歯車 | 木製。三角形に切り出した木を貼り合わせて、歯こぼれを防ぐ |
このほか、からくりには段返り(だんがえり)人形のように、人形の中で水銀が動いて重心が変わり、くるりと回転するものもあると紹介されています。ばね・歯車・重心と、仕掛けの種類はさまざまです。身近な材料の性質をよく知り、それを組み合わせて動きを生み出す。職人の観察力と手の技が光ります。
「機巧図彙」|からくりの作り方を残した本
からくりの技術を今に伝える本が、「機巧図彙(からくりずい)」です。からくり半蔵と呼ばれた細川頼直(ほそかわ・よりなお)が、1796(寛政9)年に書いた全3巻の技術書で、日本で初めての機械工学書とも紹介されています。茶運び人形の作り方も、この本に図で示されています。
なお、茶運び人形そのものは、17世紀に時計師の竹田清房が作ったと伝えられています。つまり、からくりは長い時間をかけて磨かれ、図と文章で次の世代に受け継がれてきた技術だということが分かります。
動きの技を磨くという点では、人間の芸にも通じるところがあります。同じ江戸からの伝統でも、糸で人形を操る芸は江戸糸あやつり人形の神技で、手の技で見せる奇術は手妻の神技で紹介しています。あわせて読むと、江戸の「動きの工夫」がより立体的に見えてきます。
からくりの本は「機巧図彙」だよ。1796年に、からくり半蔵こと細川頼直さんが書いた、日本で初めての機械工学書なんだって!
愛知・犬山で、からくり人形を見る方法
からくり人形を実際に見たい人には、愛知県の「IMASEN 犬山からくりミュージアム 玉屋庄兵衛工房」(犬山市文化史料館南館)が紹介されています。犬山祭の車山(やま)に載っていた山車からくり人形を、間近で見ることができます。毎週金曜日と土曜日には、制作者の九代玉屋庄兵衛氏によるからくり人形の制作風景が公開されています。ただし、イベント出演などでお休みになる場合があると案内されています。
| 項目 | 内容(愛知県観光サイトの掲載情報) |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県犬山市大字犬山字北古券8番地 |
| アクセス | 名鉄「犬山」駅から徒歩15分/名神「小牧IC」から車で25分 |
| 料金 | 大人300円(中学生以下は無料) |
| 開館時間 | 9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 12月29日〜31日(そのほか臨時休館日あり) |
| 実演(平日) | 10:30〜、14:00〜 |
| 実演(土日祝日) | 10:30〜、11:30〜、13:30〜、14:30〜、15:30〜 |
営業時間や実演の時間は、掲載時点の情報です。変更されることがあるため、お出かけの前に必ず公式の案内で確認してください。
動きの面白さを、自分の体でも体験してみよう
からくり人形を見ていると、「あんなふうにカクカク、くるりと動いてみたい」と思う子どもや大人は多いかもしれません。スゴ技スクールRPGは、東京・笹塚(京王線 笹塚駅 徒歩5分)にある週末のスキルスクールです。キッズ教室(5歳〜中学生)と大人教室(高校生〜)があり、アニメーション&ロボットダンスやパントマイムなど、動きを作る種目を教えています。教えるのは、芸歴20年の現役プロパフォーマー「ロボットしずく」です。
土日開催で1コマ50分、チケット制、初心者・親子参加もOKです。上達の期間や成果をお約束するものではありませんが、まずは無料体験で雰囲気を見てみてください。ロボットのような動きの基本は、ロボットダンスのやり方で、見えない壁などの表現はパントマイムの始め方で紹介しています。
まとめだよ。からくり人形は、ぜんまいと歯車で動く江戸の技。見たい人は、お出かけ前に営業時間を確認してね。
よくある質問
からくり人形は、電気で動いているのですか?
いいえ。ぜんまい仕掛けで動く人形で、電気などの動力源は使いません。ぜんまいの力を、歯車などで調整して動きを作っています。
茶運び人形は、どんなふうに動きますか?
茶たくに茶碗をのせると、頭をふり、両足を動かして客の前まで進みます。客が茶碗を取ると止まり、飲み終えた茶碗をのせると、Uターンして戻ります。
どこで見られますか?
愛知県の「IMASEN 犬山からくりミュージアム 玉屋庄兵衛工房」が紹介されています。営業時間や実演の時間は変わることがあるため、出かける前に公式の案内で確認してください。
子どもでも楽しめますか?
犬山からくりミュージアムは、中学生以下は無料と案内されています。動く人形は、小さな子でも「なんで?」を考えながら楽しめます。人混みや時間帯は、事前に確認すると安心です。
参考にした情報
- nippon.com「からくり人形」の記事 — https://www.nippon.com/ja/views/b00907
- tenki.jp「日本の伝統とものづくり」シリーズ(2015年10月22日公開)— https://tenki.jp/suppl/mike/2015/10/22/7301.html
- 愛知県観光サイト Aichi Now「IMASEN 犬山からくりミュージアム 玉屋庄兵衛工房」— https://aichinow.pref.aichi.jp/spots/detail/3703/
※ 上記の掲載内容をもとに作成しています。施設の情報は変更されることがあります。
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